規模別の回線選び / 50〜300名の中堅企業
中堅企業の回線は、同時に使う業務から選ぶ。
全員が同じ場所で、同じ通信をしているわけではありません。
本社・支店・在宅勤務。通信が集中する場所と時間を整理して、回線・社内設備・保守を一緒に設計しましょう。
01 / 必要な容量の出発点
社員数ではなく、
同時に動く業務を数える。
会議、ファイル送信、バックアップが重なる時間帯を確認。MicrosoftもTeamsの帯域を用途・端末ごとに示し、組織のネットワーク評価を案内しています。[1]
人数だけでは見えないこと
同じ100名でも、負荷は違う。
全員が拠点内で働く会社と、支店・在宅に分かれる会社では通信が集中する場所が異なります。これは考え方の例で、100名に必要な速度を決める基準ではありません。
集めておきたい実態
時間・場所・用途をセットで。
- 拠点ごとの同時接続端末と会議数
- 上りを使うファイル・画像・バックアップ
- 遅くなる時間と、有線・Wi-Fiの違い
- 本社VPNなどに通信が集中していないか
02 / 拠点ごとに必要な接続を決める
すべての拠点を、
同じ契約にそろえる必要はない。
以下は構成を検討する目安です。使うシステムと停止時の影響をもとに、必要な回線・機能を選びます。
- 本社に業務が集中
- 支店からの接続、社内サーバー、クラウドへの出口が集中するなら、本社側の帯域・機器・予備回線を重点的に確認します。
- 支店ごとにSaaSを利用
- 各拠点から直接インターネットへ出す構成も検討。認証・セキュリティ方針・管理方法をそろえます。
- 本社・支店間で連携
- 拠点間VPNや専用線を候補に、接続先、必要な品質、追加拠点への対応、監視を含む運用を比較します。
- 在宅・外出先から接続
- 社内ネットワーク全体への接続か、特定アプリの利用かを整理。利用者・端末・アクセス権限を設計します。
03 / 導入後に運用できるか
品質の約束と、
止まったときの行動をそろえる。
中堅企業だから一律に「専用線必須」「24時間対応必須」とは決めません。業務の時間と、止まる影響から必要な範囲を選びます。
保守は、時間と範囲で比較。
受付、監視、原因調査、現地訪問、機器交換を分けます。SLAも対象区間と基準、満たさなかった場合の扱いまで確認します。[4]
保証帯域・SLAの違い →予備回線は、使えるか試験。
切替後のVPN、固定IP制限、クラウド認証、電話を確認。切替の担当、停止してよい業務、復旧後に戻す手順まで決めます。
04 / 社内で比較できる提案へ
稟議に必要なのは、
最安値と速度の数字だけではない。
次の4項目をそろえて見積もると、金額の差が機能・運用のどこにあるか判断しやすくなります。
今回、何を改善するか。
会議の途切れ、拠点追加、業務停止への備えなど、目的を具体化。現状と導入後に確認する試験項目を決めます。
回線以外も含めて、総額を比べる。
初期工事、機器、ライセンス、設定、監視、現地保守、予備回線を含めます。税込・税別、契約年数、拠点数をそろえて比較してください。
移行の段取りを提案に入れる。
開通日、設定の移行、利用者への案内、切替試験、問題が出た場合に戻す手順を確認。旧回線との併用期間の費用も見込みます。
運用と将来の変更を決める。
障害時の担当、拠点・人数の増減、帯域変更、移転、途中解約の条件を比較。担当者が変わっても、構成と契約を引き継げるようにします。
同じ前提で比較を始める
拠点と業務の条件を、相談メモへ。
法人光回線の一覧では、必要な接続方式・保守・追加費用を候補ごとに確認してください。
規模が大きくなるときの疑問
50名を超えたら10ギガへ変更すべきですか?
人数だけでは決まりません。同時に使うアプリ・端末、上下の通信量、構内機器を確認し、必要な帯域と試験条件から判断してください。
回線を2社に分ければ、障害対策になりますか?
障害時の選択肢にはなりますが、引き込み経路・機器・電源などを共用していれば同時に止まる可能性があります。設備の分離と切替後の動作まで確認します。
出典・確認した資料
本文で参照した仕様・考え方の資料です。2026年10月23日に掲載内容を確認しました。
- Microsoft:Teams用に組織のネットワークを準備する ↗
ネットワークの評価、用途・端末ごとの帯域要件とNetwork Planner。
- NTT東日本:Managed SD-WAN ↗
拠点間通信、インターネットブレイクアウト、一元管理の構成例。
- IPA:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版 ↗
経営者と実務担当の役割、段階的な対策・運用を整理する資料。
- NTTドコモビジネス:法人向けOCNのSLA ↗
品質の基準、対象区間、料金返還などのサービス条件例。